『GODZILLA 決戦機動増殖都市』ネタバレあらすじ&感想

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GODZILLA 決戦機動増殖都市』のネタバレあらすじ&感想です。

 

まず、この映画は三部作の第二部です。
つまりこの映画で終わらないことは最初から分かっています。
1作めはその点を知らず見たので勝てるのかどうか、というドキドキ感がありましたが、今回は続くのがわかっているし、あからさまに次に出てくるあの怪獣の存在が匂わされているため、いくら映画の中で盛り上がっていても見ている方からは結果が見えているというのが残念でした。
 
前回、超巨大なゴジラ・アース出現により壊滅した人類軍は、フツアの民に保護されます。
フツアの民は鱗粉のようなものを纏い、彼らの神の卵を崇めており、双子の少女がその神との交信の役割を担っています。
要するにモスラです。
ただし、この卵の中の神が姿を表わすことはありません。
フツアの双子も、メカゴジラの場所を人類に教えた後はハルオとユウコの覗きくらいしかしません。
 
そして、メカゴジラも現れません。
 
正確に言うと一作目で僅かに登場した機械怪獣としてのメカゴジラが出てこないです。メカゴジラ、というか怪獣の定義の常識を覆すといういう意味ではこのアプローチは面白いと思いますが予告でメカゴジラが出ると期待していた人には期待はずれとなってしまうかもしれません。
 
話を戻して、フツアの民が使っていた弓矢を見てビルサルドの人が色めき立ちます。それはかつて破壊されたメカゴジラのナノメタルだったのです。ほかの物質と融合する性質を持つナノメタルは2万年前の命令に従ってゴジラを倒すために他の物質を吸収し増殖、かつてのメカゴジラ開発施設を自らのナノメタルで復活させてしまったのです。
これが今回のタイトルになっている決戦機動増殖都市・メカゴジラシティです。
わかりやすく言ってしまえばエヴァ第3新東京市のようなものです。
自分たちのメカゴジラが生きていてしかも強大になっていたことにビルサルドの人たちは大喜び。ゴジラに勝てるとウキウキです。
それに乗せられてハルオも決戦を決意。
ですがこれは第二部。見ている方にはナノメタルよりフラグが増殖しているように見えます。
一方メトフィエスナノマシンの力で神器を修復し、集会を開いて順調に信者を増やし、ゴジラとの戦いに迷うハルオの背中を押しマインドコントロールを着々と進めていきます。
そして自分たちの星を滅ぼした、名前を言うのも不吉な怪獣の名前をハルオに囁きます。その名前はラストで明らかになりますが、誰でも分かるでしょう。ギドラです。
また、一部では影の薄かったヒロイン・ユウコが、ハルオがフツアの双子と仲良くするのを見て嫉妬したかと思えば、急に露出を増やしてハルオに迫ります。
これが後にハルオに大きな決断を迫ることに。
 
メカゴジラシティでゴジラ抹殺の準備を進めるビルサルドですが、ナノメタルと同化し都市の一機能となることを名誉とする彼らに他の種族が反発。ビルサルドの超合理主義、超物質主義の危うさが露見します。
 
そんな事をやっている間にゴジラが活動開始。
ここからは前作と似たような展開。ビルサルドご自慢のメカゴジラシティも調整不足でトラブル続出というお約束。
ハルオ・ユウコ・ビルサルドのベルベが機動兵器で時間稼ぎと囮として出撃します。
前作より大幅にパワーアップしたとビルサルドが自慢していた人類側の兵器ですが、それ以上にゴジラサイドもインフレしてるので結局戦力差は前作と変わっていないような印象でした。
ただ前作は人類側が無駄に多かったのに対して今回は機動兵器3機と機動都市だけというシンプルな構成だったので見ていてわかりやすかったです。
そして前回と同じ方法でゴジラを「やったか!?」となったところで一転。ゴジラがバーニングゴジラになり1000度の熱でメカゴジラシティが壊滅寸前に。
ここでビルサルドは機動兵器・バルチャーでゴジラに特攻するという作戦を提案。ですがそのためにはパイロットがナノメタルと同化、つまり人をすて機械にならなければなりません。
ナノメタルに身体を侵食されるユウコを見てハルオは人を捨ててまでゴジラを倒そうとするビルサルドを否定。コントロールルームを破壊してナノメタルの侵食を止めます。
もしハルオが人を捨てていれば倒せていたかもしれないゴジラは復活。熱線でメカゴジラシティを壊滅させます。
最後はナノメタルに侵食され目を覚まさないユウコを抱きかかえたハルオの絶叫で終了。
そしてメトフィエスが明かした怪獣の名前とともに三本首の龍の首とともに次回作「星を喰うもの」で終了。

 

 
前作は前半の説明が多く、退屈な部分が多かったですが、今回はテンポもよく進み、飽きませんでした。
モスラの民フツア、戦闘狂のビルサルド、胡散臭さを隠そうとしなくなったメトフィエスと、種族間の価値観の違いも浮き彫りになり、人間とは、怪獣とはと問いかける内容になっています。
そんな中、前作ではゴジラを倒すためには犠牲を厭わなかったハルオが機械となってゴジラを倒すことより人としてユウコを助けたことは大きな変化だったと思います。
ただ勝つのではなく人として勝たないといけないと決意したハルオがどういう行動に出るのか気になる一方、全てがメトフィエスの計画通りに進んでいるようなのが不気味です。
そしてやはりメカゴジラが最後まで出なかったのは肩透かしでした。さすがに最後の最後の大ピンチでメカゴジラが出現すると思っていたので。そういう意味では予告詐欺に近いものを感じました。
ただ、怪獣の定義が形だけに求めなければ、異常な増殖をするナノメタルが作った都市もまた怪獣であるという考えは有りだと思います。
これで人類側で期待できそうな兵器は完全になくなってしまったかと思いますが、次回はどうなるのでしょう。
まぁどうせギドラはエクシフの手先なんでしょうけど。
メカゴジラが都市という形で現れた以上、ギドラもそのままで現れるとは限らないと思います。
物質主義のビルサルドに対してエクシフは神秘主義精神主義といった立場なのでギドラもあるいは霊的、精神的な存在なのではないかという気がします。
そしてモスラも卵から孵るでしょうし、三大怪獣と人類の戦いの結末はどうなるのか、勝ったとしても今の地球の環境では果たして人類に未来はあるのか。
一部を見た後はあまり期待できませんでしたが、今回は続きが気になる出来でした。